2010年5月5日水曜日

環境のはなし、格差社会と教育



4歳までに、専門職家庭の子どもなら自分に対して発せられた言葉を5000万語、聞く。
労働者家庭の子どもは3000万語、
福祉家庭の子どもは1200万語だった。

すでに3歳の時点で、専門職家庭の子どもは福祉家庭の両親よりも多くの語彙を持つ。

3歳の時点で、専門職家庭の子どもは肯定的な言葉を70万回かけられ、
否定的な言葉は8万回だった。
福祉家庭の子どもは肯定的な言葉が6万回、
否定的な言葉は12万回だった。


言葉で愛情を注ぎ、きちんと褒め、物事の理由を教え、説明する。
これを何百万回と繰り返すことで脳は成長し、心は開く。
こうした大切な経験を与えられなかった子供たちの可能性はひからびていく。

3歳児の到達度が9歳から10歳にかけての状況をきわめて正確に予言している。
いやあ、なるほど、なるほど、そうだろうなと、つくづく私は思います。

それでも、こんな数字をあげられると、思わずわが身も振り返ります。

階層を上昇できるかどうかは、当然ながら、お金のあるなしにかかっている。
10代のころに貧しいと、人生の展望は暗い。
貧しい10代を過ごした大人は、たとえ30代で貧困から抜け出しても、
中年になると貧困状態に戻っているリスクが高い。


今や、人の経済的将来を左右するのは、
能力ではなく、バックグラウンドである。


どんな能力の子どもでも、その子が学校にとどまり、
試験を受け、教育の梯子をあがっていくかどうかは、
親の社会階層と密接に関わっている。


イギリスについての本ですが、今の日本にとっても大いに参考になる本だと思いました。”