2015年2月4日水曜日

男子と女子への数学指導法(最新の一般論)


特に男女別学にすることによって、男子と女子の発達段階に分けた教え方をすることができる、という話はなるほど、と思う。たとえば、



  • 女子は励まして自信を持たせてあげる。
  • 男子は現実を見せて自分が思っているほどに自分が賢くないことを自覚させ、もっと上手にできるようにけしかける
という指導法が効果的である

・・・ことがイギリスの研究で分かっている (pp.182-183) とか、あるいは
 桐光学園の教員は男子クラスも女子クラスも受け持っている。一九九一年に女子部が設置された当初は、男女ともに同じように教えていたという。しかし、女子クラスでの指導に違和感を覚えた一部の教員たちが、特に理数系教科に関して教え方を変えてみたところ、理解度が上がったという。

 特に理数系教科に関しては、女子は細かいステップを刻みながら少しずつ何度を上げていく方法が効く。所々で「ここまでは大丈夫?」と確認しながら授業を進める。かなり力のある子でも、いったん「わからない」となると、最初のステップから振り返らなければならない。

 しかし、同じことを男子のクラスでやると飽きられてしまう。男子クラスでは、いきなり「これできる?」と挑発するような方法が有効なのだそうだ。
場合によっては「この問題の答えはこれなんだけど、式書ける?」と問いかけるという。全員が食いついてくるわけではないが、食いつきのいい生徒が問題を解くと、周りの生徒たちも刺激されて、手を動かし始めるのだという。

桐光学園の平良一教諭によれば、「男子と女子では、ロジックのとらえ方が違うようです。『女子は理数系が苦手』といわれることがありますが、そんなことはないでしょう。理数系教科の教え方が女子用になっていないだけです」とのこと。(pp.76-77)
とか。

(引用元はおおたとしまさ「男子校という選択」(日本経済新聞社))