http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110225/dms1102251546013-n1.htm
より(灘高校)
「“学ぶ力の背骨”です。国語力のあるなしで、他の教科の理解度も違う。
数学でも物理でも、深く踏み込んで、テーマの神髄に近づいていこうとする力こそが国語力です。
それは“生きる力”と置き換えてもいい」
教科書を使わない、一つの言葉につき脱線する授業に生徒の戸惑いがなかったといえば嘘になる。
あるとき生徒はこんな質問をした。
「先生、このペースだと200ページ、終わらないんじゃないですか」
橋本先生は教室を見渡した後、静かな口調でいった。
「スピードが大事なんじゃない。すぐ役に立つことは、すぐに役立たなくなります。
何でもいい、少しでも興味をもったことから気持ちを起こしていって、
どんどん自分で掘り下げてほしい。
そうやって自分で見つけたことは君たちの一生の財産になります。
そのことはいつか分かりますから」
言い終わると、頬を緩め、再びプリントを配り始めた。
東大総長・濱田純一氏は、このとき教室にいた生徒の一人だ。いつか分かりますから--その言葉通り橋本先生の教えを財産にしている。
「改めて素晴らしい授業だったんだなぁと。僕らが大学で原書講読をやる時のやり方と似ています。一つの言葉に拘ることでその背後に広がる概念や感覚や考え方と繋がってくるわけです」
0 件のコメント:
コメントを投稿